アニメ?
僕のヒーローアカデミア?
ツーリズム?
これって、私のためのネタだろうか?(知らねぇよ)
なぜなら、私は僕のヒーローアカデミアのファンであり、観光学を専攻しているからである。
書かないわけにはいかないよねぇ。
目次
TOKYOアニメツーリズムって?
「TOKYOアニメツーリズム2020」は、AR機能付アプリでアニメ作品の舞台等都内の観光スポットを巡るデジタルスタンプラリーです。
アニメ作品の世界観を楽しみながら、スポットを巡ると、スポット毎に異なるデザインのデジタルスタンプとポイントを獲得できます。また、ポイント数に応じて、オリジナルグッズももらえます。
コンテンツツーリズム
前述の「TOKYOアニメツーリズム」とは、要は観光地や目的地への来訪を促す為の活動。
アニメの世界観を楽しむ、という箔をつけなければ、それらの活動はただの「移動」になりはててしまう。
ここで引用をしよう。
観光産業やマスコミが意図して提供する情報によって構成されるにせよ、旅への欲望は対象地への具体的イメージを伴う。もちろん行動の誘因となるイメージが、対象地の現実と一致しているかはどうかはここでの問題ではない。(稲垣勉、2001、251)
今回の「TOKYOアニメツーリズム」もまた、この引用から読み取れることの例外ではない。
東京の各地を回ってもらうために、「僕のヒーローアカデミア」というイメージを付与している。
さらに公式ホームページには、短くはあるが「物語」が用意されている。
人間とは不思議なもので、ただの「移動」に、こうした物語をはっつけて、自分の行動に意味を持たせることが出来る。
足は確かに現実空間に存在するが、その実、彼らは「僕のヒーローアカデミアのストーリー」という架空の世界に多少なりとも足を踏み入れている蓋然性があるのである。
君の名は
2016年の上映された「君の名は。」
この作品を鑑賞したのち、多くの人が作品の元になった諏訪湖に訪れたとか、そうでないとか・・・。
どちらにせよ、
諏訪湖に訪れたかもしれない人々は、ただの水の塊が存在する窪みに、「糸守湖のモデル」という意味付けをして、その観光活動を楽しむのである。
不思議なものだ。
帰納すれば、聖地巡礼というものは、その類、前述したものと同等のものである。
いやもしかしたら、ほとんどの観光はこれと変わりないものかもしれない。
なんの意味付けも無されていない場所に対して、人々は興味・感心を抱くのだろうか?いやその見込みは恐ろしく低い。
もしその蓋然性があるのなら、「ふなっしー」はおろか、「和食」や「特産物」なんてものは、観光において機能することはないだろう。
誤推論
人間には、「誤推論」という能力がある。
これは人間が「言葉」を使う上で非常に意味のある、虚構構築能力である。
例えば
私たちは「水」という文字を見て、何を思い浮かべるだろう?
もちろん思い浮かべるのは「水」ではなくて、液体状で、飲むことができて、冷たくて、という風に思い浮かべるだろう。
そして逆にその「水」とやらと言われる物質に触れて、私たち人間は、「水」と想起することが可能である。
あたりまえだと思われるかもしれないが、そうではない。
「水」と「ようわからん何かしらの物質」とをお互いに連想することができるのは人間だけである。
この機能があることによって、見事に「コンテンツツーリズム」は成立するのである。
「ただの場所」と「僕のヒーローアカデミア」を関連し、ただの移動に意味付けをする。「誤推論」という機能があってこそ、なのだと思います。
物語性
日本では、「物語」がよく売れる。
物が飽和したこの国では、ただ物を作っただけでは売れることは無い。
作る段階から、売ることを考えなければならない。
その売るための手段として、「物語」がよ~く使われる。
CMでもようわからん物語が流れている、誰も興味は持ってなさそうだが・・・。
しかしそうでもしないと、商品が売れない。「物語」という虚構を利用してでも、商品を売る。
買い手がチベットスナギツネなら効果は無いが、人間なら通じる。
なんでもかんでも関連させて考えてしまう傾向にある人間あいてならば、「物語」は手段にもなりうるのだ。
まとめ
少々話が逸れてしまった。
あなたが観光をするときに、思い出してみるといいだろう。
別に忘れても構わないが。