書評:旅する,桐生裕子編,世界思想社、ブログ

そろそろテスト勉強しなきゃなぁ~

と思っていた矢先、面白そうな本を見つけました。

「旅する」というタイトルとは裏腹に、内容は濃いものを見つけることが出来ました・・・。

 

著者情報と概要

「日常を拓く知5 旅する」

編者:桐生裕子

著者:桐生裕子

   飯謙 神戸女学院大学文学部総合文化学科教授。専門は宗教学・キリスト教学。

   奥野佐矢子 神戸女学院大学文学部総合文化学科准教授。専門は教育学・人間形成論。

   河西秀哉 神戸女学院大学文学部総合文化学科准教授。専門は日本近現代史。

   高橋雅人 神戸女学院大学文学部総合文化学科教授。専門は古代ギリシア哲学・倫理学。

   藏中さやか 神戸女学院大学文学部総合文化学科教授。専門は日本古典文学。

   大橋完太郎 神戸女学院大学文学部総合文化学科准教授。専門は哲学・表象文化論。

概要

本書は芸術学・哲学・教育学・宗教学・歴史学・文学など多彩な分野から「旅」「旅行」「観光」「巡礼」「移動」について考えや語りがまとめられているもの。

大衆化し、身近なものになった「観光」「旅行」などについて普段から意識しないような目線で見てみると、意外な発見がそこには見受けられます。

感想

の本は大学生向けの本です。と本書に書いてあります。

この本を読んでいて興味深いと感じたことは、今までの講義で学んだことが所々にちりばめられているという点です。

特に観光に関して学んでいる人には是非読んでいただきたい一品ですが、

前述で紹介した通り、様々な面から「旅する」ことについて触れられているので、教養を深めるという意味でも読むことをオススメします!

大学が、就職予備校になり果てている現代。

勉強することが、実用的なことに限られてしまうのは少し物悲しいです。

本書を通して、「考える」「学ぶ」について認識を変える契機にしていただけたらと思います。

引用

は少し引用です。

旅の方法に関連して、最近私が気になるのは、共同体っていうのがすごくわかりやすい人間関係に矮小化されすぎてしまって、たとえばひとりで旅をしていても、フェイスブックにどんどん写真を載せて、「いいね」をたくさんもらうとか、承認されたい共同体を最初から限定していて、その人たちの承認を得ることで満足してしまうような傾向があることです。そのような共同体感が旅の経験を貧しくしているんじゃないか。

桐生裕子、「旅をする」、世界思想社、2015年、p13

これを読んでいて、私は「痛いとこつかれたなぁ・・・」と思ってしまいました。

現代っていうのは、日本にかぎらず世界のある地域でも「核家族化」「共同体の衰退」が進んでいます。そしてそれに伴うようにSNSの利用者数も増加していく。

これが意味するところは、

「人間のまとまり」みたいなものがどんどん限定されているということだと思うのです。

家族と共同体

来私たち人間は「家族」と「共同体」という二つの枠組みを行き来する動物です。

この行き来が可能なのは人間だけです。

ではなぜこのような二つの枠組みで生活を営むようになったかというと、「赤ん坊」を育てるためです。

つまりは、子孫を残す、ということは生きるため、種の存続の為です。

今でこそ、子供は「(核)家族」で育てることが当たり前になっているかもしれませんが、本来人間は子供を家族そして共同体の中で育てているのです。

女性の方が出産をすると、些細なことでも感情が揺さぶられたりする傾向にあります。

かしこれは致し方無いことなんです。

自然なことなんです。

そのように進化してきたのです。

 

そうした感情の不安定さを、共同体という枠のなかで暮らす他の人々の存在が和らげてくれるのです。

このようにして、人間は「家族」と「共同体」という二つの枠組みを行き来するのです。

旅の楽しさ

こうした事が「旅」というもの事柄に関わってきます。

この本の中では、「旅」は閉じたものでありながら。同時に開かれたものでもある、と言っています。

目的地を定め、便利な交通手段で颯爽と目的地まで行き、写真を撮り、土産だけ買って終わる

これは「旅」であると言えるのでしょうか?

なんだか非常に閉じたものである気がしませんか?

 

ある意味では「観光」

先ほどの、

目的地を定め、便利な交通手段で颯爽と目的地まで行き、写真を撮り、土産だけ買って終わる。

という行為は、ある意味では「観光」であると捉えることが可能です。

観光とは

私的には「旅行を伴う余暇活動」が非常に定義としてはピンとくるかなぁと思います。

余暇活動、つまり生理的な時間や労働などを除いた、社会的な時間。

この間に、旅行を行うを行うことが「観光」ですね。

 

しかし、ここでまた疑問が生まれてきます・・・。

旅行とは何か?

「旅行を行うこと」と書きましたけれども、

  • そもそも旅行ってなんでしょうか?
  • 観光との違いってなんでしょうか?

ただ観光地の写真をSNSにあげることなのでしょうか・・・?

 

とまぁこのように本を読んでいくなかで、様々な疑問が出てくるところがこの本を素晴らしい部分だなと思います。

旅にさほど興味のない人でも是非読んで欲しいですね。

まとめ

さて!

どうでしたでしょうか。

「旅する」と言っても、その言葉の中には深~い深~い意味が隠れているようです・・・。

私がこの本を読んでいる時には、非常に色々なことを考えさえられました。

あと私事ですが、

大学では、「観光学」を専攻にしているので、読んでいて「あぁ~そんなことも勉強したなぁ」とたった数カ月前のことを懐かしんでいました。

これからも

観光系の本をたくさん読んで、紹介していきたいと思います!

では。

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