書評:旅するニホンゴー異言語との出会いが変えたもの 渋谷勝己,簡月真

 

本を紹介する本を読む。

これほど面白いことは他にない。

多種多様な本が、しっかりとした編集を加えられ、商品としてみなされるくらいの「本」には、それ相応の「本たち」が並んでいる。

この

「旅するニホンゴー異言語との出会いが変えたもの」もその一冊である。

 

 

著者情報と概要

旅するニホンゴー異言語との出会いが変えたもの

渋谷勝己

大阪大学教授。1959年山形県生まれ。東京外国語大学卒業,大阪大学大学院文学研究科日本学専攻博士後期課程中退,専門は日本語学,とくに動態の研究。

著書に『シリーズ方言学2 方言の文法』『シリーズ日本語史 4 日本語史のインタフェース』(いずれも共著, 岩波書店),

簡 月真

台湾・国立東華大学副教授.

大阪大学大学院文学研究科文化表現論専攻博士課程修了. 博士(文学, 大阪大学). 専門は日本語学, 社会言語学, 接触言語学.

著書に『台湾に渡った日本語の現在ーリンガフランカとしての姿』(明治書院), 『改訂版 社会言語学図集ー日本語・中国語・英語解説』(共著, 秋山書店)

概要

感想

よう考えてみれば、

どこかで私は「日本語」は日本でしか話されていない、と思っていた。なぜだろう。

英語という異地域の言葉が、日本語で話されているし、私も英語を話しているのだから、考えればわかることだった。

この本は、

そういった日本では話されていない、「ニホンゴ」について著されている本である。

「ニホンゴ」について知ると共に、

意外にも、1900年代に日本人が海外に渡っていたという事実に驚いた。

 

観光学の中で、〈「旅行」に関する人々の移動〉に囚われていたから、日本語の変種を形成する要因となった人々の移動を知ることができ新鮮であった。

引用

現在では、「そもそも言語接触を経験していない、純粋な言語などというものはない」という認識が広がり、海外の日本語変種や非母語話者の日本語変種も含めて、これまであまり注目されなかった/無視されていた変種が、言語研究の正当な対象として承認されている。

渋沢勝己、2013、「〇『純粋な日本言語』はない」、『旅するニホンゴー異言語との出会いが変えたもの』、井上優編、岩波書店、24

この文を見ると、もはや「一国家一言語」というものはないと考えられる。

そういえば、国民的な英雄といえば、

仮面ライダー

スーパー戦隊

プリキュア、である。

これら全部に「英語」が入っている。

当たり前すぎて、気付かなかった・・・。

平成ライダーの名前をみたら、ほとんどが英語である。鎧武とか電王も、十分カッコいいと思うが。

「日本語の価値順位」みたいなものがどんどん下がっているのだろう。

もはや、英語を聞かない日は無いのだろう。

言語学

旅するニホンゴー異言語との出会いが変えたもの

この本は、いわゆる接触言語学に関連している本である。

この本では、どのように言葉が変化するのか、言葉が変化する要因は何か、変化した言葉はどのような機能を持っているのか

という少々小難しい内容まで書いている。

正直、ここら辺は読んでいて、あまり頭に入ってきませんでした・・・。

ですから、その部分はふっとばして、純粋に「こんな風に変化するのねぇ」と楽しんでみるのがいいかもしれない。

いや

そっちの方がいい。

もし仮に言語学専攻の人なら、幾分か面白さは増すだろうが・・・!

まとめ

この本は、ある意味で日本語を母語とする人たちへの救済かもしれない。

もし海外に移住することがあるなら、まったく日本語が通じない国よりも、少しくらい日本語の名残がある方がいいかもしれない。

また

移住とまではいかなくても、海外旅行の目的地として、敢えて「ニホンゴ」が話されている地域や国を選んでみるのもいいかもしれない。

どんな国にそのような名残があるかは、本を読んでいただきたい。

 

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