書評:学校では教えてくれない日本語の授業,斎藤孝著

本を読み漁っていると、「斎藤孝」の名前をよく目にします。

この本は2014に発売されたものなのですが、2019年に購入した「読書する人だけがたどり着ける場所」という本もこの斎藤孝という方が著したものであると思い出しました・・・。

では書評に参りましょう!

 

著者情報と概要

学校では教えてくれない日本語の授業

斎藤孝(さいとうたかし)

1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学大学院教育学研究科博士課程を経て、現在、明治大学文学部教授。専攻は教育学、身体論、コミュニケーション論。

著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社文庫、毎日出版文化賞特別賞)、『身体感覚を取り戻す』(NHKブックス、新潮学芸賞受賞)、『読書力』(岩波書店)、『日本語の技法』(東洋経済新報社)、『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社)など

概要

「日本語」と「国語」。この二つの違いって何だろう?日本語ってどのように伸ばすべきなんだろう?あまりにも身近過ぎて、意識しない「日本語」について教えてくれる本。外国語優勢の傾向が強い今、改めて私たちの使う日本語に関する認識を改めて、客観的な立場で捉え直してみてはいかがでしょうか?

感想

あ。日本語勉強しよ・・・

この本を読んでまず思ったことだ。

色んな言葉を使いこなせるのってかっこいいよな~と思って、色んな言語に手を出してみたが、今はとりあえず英語とフランス語に落ち着いている。

外国語を勉強するのももちろん重要ではあるが、それ以上に母語を適切に操れることも意味のあることなのではないだろうか。

外国語を操れることが有利になる現代社会ではあるが、

思考やコミュニケーションの根幹を成す母語がおろそかになってしまっては、あまり外国語を勉強する効果が無い様に思われてしまう。

「学校では教えてくれない日本語の授業」

 

このタイトルは、外国語偏重主義の「今」に一石を投じてくれる、日本語学習の有意義さを事細かに伝えてくれています。

もちろん本の内容も然りです!

 

引用❶

昔は文章が読めなとき、多くの人が「自分が悪いのだ」、あるいは「自分の教養が足りないのだ」と考えましたが、今は少しでも難しいと「こんな文章では読む気がしない」と書き手のせいにして、自らに問題があると考える人は少なくなりました。(斎藤孝、2014、84)

この間、「読みたいことを書けばいい」という本を読んだのですが、

見事にその本は、現代の人々の文章を読む力を読む力が低下しているのを示すように、文字が大きいサイズで印刷されていました。

あ、「読みたいことを書けばいい」の内容自体は興味深いものでしたよ・・・!

さて、何故自らの「本の読めなさ」とでもいいましょうか、文章を読む能力が衰えているのでしょうか?

資本主義

私の考えでは

行き過ぎた利潤追求主義が大きな原因であると考えられます。

今の時代は、あらゆるものが「商品化」しています。

目に見えるものだけでなく、目に見えないものまでに値段が付けられている。

経営学の視点から見れば、コモディティ化の進展する社会では、あらゆる商品が買い叩きされてしまいます。

ますます競争の激しくなる現代社会において、重要なのは「商品やサービスを可能な限り多く、消費者に売ることが可能な人物。しかも、少ない経費で。」

利潤獲得に役立つことこそが、この日本において意味のあることであり、その他のことなどどうでもいいのです。

知識の偏重

今の大学入試は知識偏重のものです。

それはもはや、子供たちが学ぶことを楽しむ一過程というよりも、資本主義経済に適応できるようにする訓練の一貫のようです。

それにつけこんで、予備校という名の「学びに対する気概を奪う工場」がはびこり、ますます「学び」が軽視される。

この悪習たるプロセスが、「学ばない大学生」を量産する。

日本の大学生?。えぇ勉強するの!?

彼らが大学に入って遊ぶのが仕事なんだろう?

と、誰かが言っているかもしれない。

私が、留学生にこの内容を話すと、ウンウンと頷いていた。

もはや周知の事実なのだろうか・・・?残念。

引用❷

ですから、言葉もそうですが、あまり「純粋な日本語」ということを考えすぎると、却って日本を見失うことになりかねません。どこからが日本なんて、もはや分けようがないからです。(斎藤孝、2014、181)

今はそれほど多くはないと思いますが、「純粋な日本語」のように「純粋な日本」というものが存在していると考えるひともいるかもしれません。

それはつまり「日本」という国を絶対視、つまり普遍的な存在として捉えることですね。

これは、例えば社会学的な観点から言えば、正しい事ではありません。

今、日本列島と呼ばれる場所に、何万年も前から「日本」という国が存在していたんですか?

と質問すれば、一体どんな風に答えるのでしょうか・・・。

この本は、日本語を奥ゆかしさ、語義の多様さ、荘厳さを教えてくれると同時に、日本語だけに縛られないことも説いてくれている一冊だと私は思いました。

やはり何事も、程ほどがちょうど良いのでしょうかねぇ。

まとめ

さて、どうでしたでしょうか?

「学校では教えてくれない日本語の授業」

私はついに、日本語の関してだけではなく、今の日本自体についても考えてしまいました。

それほど

「日本語」が重要なのだと思います。まぁ母語ですしね・・・。

是非機会がありましたら、手に取って、読んでみてください・・・!

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