書評:動物保護入門 ドイツとギリシャに学ぶ共生の未来 浅川千尋 有馬めぐむ著

 

今回は、

始めて動物保護・愛護に関する本を手に取ってみた。

きっかけは、哲学の授業で環境倫理について学んだ時、ピーター=シンガーの「動物解放論」について知ったこと。

この本は、ピーター=シンガーの著書を見つけたときに、その左にあったもの。

動物保護の入門書として、この本を紹介したいと思う!

著者情報と概要

浅川千尋

天理大学人間学部教授。1991年大阪大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得満期退学。ドイツを主な研究対象都とし, 日本と比較しながら動物保護や環境保護を研究。主著に『国家目標規定と社会兼ー環境保護, 動物保護を中心に』(日本評論社, 2008年), 『リーガル・リテラシー憲法教育〔第二版〕』(法律文化社, 2014)など。

有馬めぐむ

フリーランスライター。1995年白百合女子大学文学部卒業後, 出版社で記者職を経験。国際会議コーディネートの仕事でギリシャに滞在後, 2007年よりアテネ在住。ギリシャの観光情報やライフスタイル, 財政危機, 難民問題, 動物保護など, 多角的に日本のメディアに発信中。著書に『「お手本の国」のウソ』(新潮新書, 2011年, 共著)など。

概要

食べるために殺される動物と、ペットの違いは何だろうか?実験に利用される動物はどのように扱われるべきか?人間と同じ社会に暮らす、身近な生き物、動物だからこそ、その存在を軽んじてはならない。ドイツとギリシャを好例に、日本人として同じ動物として、彼らに出来る最大限のことは、何だろうか?

感想

この本で一番驚いたことがある。

それは、日本において動物実験に関する法規制の整備が進められていないこと、そしてペットと暮らすノッテ至極大変なもの、ということ。

日本では、例えば

  • 実験者
  • 実験施設
  • 実験計画
  • 繁殖・販売業者
  • その他五項目

の全てについて、法規制の整備がなされてない。つまり、動物実験はそれを行うものの自主責任に任されているということになる。

そして私が二つ目に驚いたことが、動物の飼育について。

動物愛護管理法では、2条から44条に渡って、動物の飼育に関する情報が記載されている。

私は普段から動物と暮らしているわけでは無いので、こうした情報に触れたことはなかった。

動物と暮らすのは、手間が大変にかかるなぁ・・・と感じてしまった。

引用❶

つまり、動物を飼っている者は、定期的に食事や水を動物に与え、適度な運動をできる機会(たとえば、犬の散歩、ネコタワーの設置など)や空間(一匹あたり自由に行動できる広さの空間)を確保し、健康に注意を払っていなければならないのである。またできるだけ快適に過ごせるような場所〔中略〕を動物に提供しなければならない。(浅川千尋, 有馬めぐむ、2018、45,47)

これは、感想で書いた内容と似ている。

当然のことながら、動物も生物であって、「物」ではない。

彼らが生きていける環境を整えることは、至極当然のことであるが、決して容易なことではない。

「動物を飼う」のではなく、「動物と暮らす」「動物と共生する」という意識を持つことが、飼い主に求められるのだろう。

 

 

 

 

引用❷

この地域猫の保護活動は、野良猫を減少させるためにも大きな役割を担っている。地域は人間だけでなく動物も生活している場所であり、「人間と動物が共生する」という意識を地域社会で共有することが重要である。(浅川千尋, 有馬めぐむ、2018、65)

地域猫の保護活動は、ネコにとって利点があるだけではなく、人間にとっても有意義な活動であるように思われる。

現代は、地域としてのつながりが弱まりつつある。

スマートフォンの発達によって、それ一つであやゆる行動や目的を達成できてしまうのだから。

しかし、それらが人間の「孤立」という状況を真に改善するわけでない。snsで承認欲求を得て、それで満足してしまうということは、共同体をsns上の存在に限定してしまっているということ。

今だからこそ、人間同士だけではなく、動物との共生ができるよう、地域社会の有用性を見直すべきだと私は思う。

引用❸

とくにドイツの連邦動物保護同盟は、当面は動物実験の代替方法の開発をこれまでよりいっそう強化するとともに、最終的には動物実験を廃止することを訴えている。畜産動物の在り方に関しては、大量飼育・輸送の禁止、生産・消費を抑え、肉の消費量をできるだけ抑え、肉の消費量を減らすことを主張している。〔中略〕動物も人間と同じように痛みや苦しみを感じる存在であるというパトス(痛感)中心主義であり、身体の尊厳は守られねばならないとする。(浅川千尋, 有馬めぐむ、2018、99)

ドイツでは、動物では「物」ではなく、「特別な存在」と定義されている。

私たち人間が生きるということは、等しくなにかを殺すということ。

命をつなぐための命は大変に意味のあるものだが、無駄な生産や消費は、動物の痛みや苦しみを必要以上に増加させていることも意味する。

この地球で生きる同じ生物として、「もったいない」精神をもって、自然と共生することがこれから必要になるのではないだろうか?

まとめ

さて、どうでしたでしょうか。

この本は、動物保護の入門書として非常に役に立つものだと思います。文章も比較的読みやすく、グラフも要所要所にちりばめられていて、内容も理解しやすいかと思います。

普段なかなか気にしない、「動物」のこと。

  • かわいい
  • こわ~い
  • すご~い
  • でかっ!

そんなん誰でもわかります。同じ生きる者として、彼らについて興味をもってもいいんじゃないでしょうか?

 

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