書評:きちんとした日本語がいい人生をつくる。難波菊次郎著。

 

きちんとした日本語

私はこの「きちんとした日本語」を使いこなせているだろうか?

第一、

まずこのブログを書いている時点で、「きちんとした日本語」を使いこなせていないのかもしれない。

文章を書くことが、一部の知識層だけの活動ではもはやなくなった今。

当然、「言葉」の質、高尚さという面でものを言えば、落ちていると判断せざるを得ないだろう。

 

だからこそ、私は本を読む。

少なくとも適切な日本語を、そこら辺の人間よりは使えるに違いない。

「きちんとした日本語」を読むことは、二重の意味で

あなたの、そして私のタメになると考える。

著者情報と概要

「きちんとした日本語がいい人生をつくる」

1943年、東京生まれ。早稲田大学第二政治経済学部経済学科卒業。

東神興業(株)、エールフランス国営航空社勤務を経て、1989年、先端技術のシンクタンク(株)テクノバ取締役社長。2000年、(株)プロモテック設立、代表取締役に就任。1993年、ボランティア活動団体アースウォッチ・ジャパンを設立し理事長に就任。2003年、NPO法人に

(財)日本グラウンドワーク協会監事、ローマ・クラブ会員。

著書に、『地球環境・ヒト・人間』(芙蓉書房出版)がある。

概要

日本。それはただそこに四季の表情が豊かな自然と、風景が広がっている空間ではない。そこには、私たち「日本人」がいる。日本語を話す私たちが居る。でも今はどうなっているのだろう。私たちは自らの言葉を大切に扱い、綺麗に話すことができているのだろうか?先進的であることは絶対なのだろうか?

感想

日本語がまともに使えなくなったらどうしよう・・・

そう思わせる一冊だった。

よく国際人という言葉を聞くことがあるが、これは海外について幅広い知識を有し、卓越した外国語能力を持つ者のことではないと私は思う。

真の国際人とは

自身の国について、深く知る者のことだと私は考える。

このように、日本語を深くしることも、国際人として活躍していく場合には必要であるように思われる。

また、外国語を勉強すること、今の大学で学ぶこととはどういうことかを考えさせらえた。

「学び」は実に素晴らしいものだ。

しかしこの国では、当たり前のように「学び」や、さらには「日本語」が軽んじられている。

別に右派ではないけれど、

少しくらいは、「母語」も尊重すべきでは?と強く思う。

引用❶

身分や地位の高い人たちのなかに、決して偉そうにせず、どんな相手とも対等、平等な態度で接する人がいる。相手の身分、立場にかかわりなく、丁寧なことば遣いで話し、相手の言うことをきちんと聞く。「実った稲穂はこうべを垂れる」といわれるように、頭に中身が詰まっていれば、自然に謙虚になるはずなのである。(難波菊次郎、2008、157)

「頭に中身が詰まっていれば、自然と謙虚になるはずである」

なるほど上手い。

逆に誰に対しても横柄な態度を取ったり、誠意をもって接しないということは、頭の中が「からっぽ」で、近づきづらい・・・ということだろうか?

誰に対しても礼儀正しく接すること、これは確かに大切であり、そして至要たることである。

よく分かる。

しかし私は少々斜めの考えを持った。

それは

文化資本、経済的格差である。

礼儀正しくふるまうことは、社会生活を営む上では強く要求されるものの、すべての人がこのような態度を学べるわけでは無い。

そもそもこのような態度は先天的ではない。

後天的に学習するソーシャルスキルなのである。

文化資本は、あらゆる場面において教育や過程で得た知識、振る舞いが有利・不利を生むこと。

大切だ。大切だ。と言っているだけでは机上の空論なのである。

と、この文章が机上の空論にならないようにしたい。

 

 

引用❷

一方、日本の大学は職業訓練所として機能している。企業が必要とするのは、実務能力に長けている学生である。実務に必要な知識と技能を教える場合、哲学的要素は必要ない。講義の内容を教え込めば、それでいいのだ。(難波菊次郎、2008、172)

これは日本の大学に特有の性質である。

大学で講義を受けていた時に、講師からこんな話を聞いたことがある。

「さて、みなさん受験お疲れ様です!そしてお子様のご入学、おめでとうございます。

申し訳ございませんが・・・。お子様には就職に向けて今から頑張っていただきたいです。」

と、説明会で言われたそうな。

誰もが知っている大学で、である。(多分)

引用にある通り、大学はもはや「大学」ではなく、「職業訓練所」となっているようである。

残念ながら、私のいる大学も高々と就職率の高さを掲げている・・・。

まぁ今更こんなことを言っても仕方がない。

日本のほとんど、いやもしかしたら、すべての大学が「就職率」の良しあしを気にしているのだから。

まとめ

さぁ。いかがなものか。

きちんとした日本語が、いい人生をつくる十分条件というわけではないが

少なくとも必要条件であることは間違いないと私は感じる。

もしかしたら、外国語を学ぶことの方が重視されているかもしれないが、それ以上に「母国語」である日本語を学ぶことは、あなたの一部を形成しうるという点において非常に有用ではないだろうか。

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