スワヒリ語。
それは歴史が古く、8世紀に既に船で東アフリカを訪れたヨーロッパ人が、当時の海岸地帯はすでに、韻を踏んだスワヒリ語の詩と文学が盛んだったと記している。
古くから歴史を持ちながら、なかなか認識されないこの言葉。
よく「アフリカ語」と一括りされてしまうことがありますが、
そもそも「アフリカ語」は存在しないことを知っているでしょうか?
なんと、アフリカ大陸には
2000以上の言語が存在しているといわれています!
(少なく見積もってです。)
残念ながら(?)「アフリカ語」というものは存在しないのです。まあ、アメリカ語が無いのと同じでしょうか・・・。
アフリカは地理的に日本から遠いので、アフリカに関して知っていること少ないかもしれませんね・・・。
でも、ご安心を!
スワヒリ語はアフリカ大陸の中でも最も勉強しやすい言語です。遠く離れた場所を知るには打ってつけの言葉になるでしょう。
目次
スワヒリ語の成り立ち
スワヒリ語はいうまでもなく、アフリカ大陸固有の言語のひとつです。
先ほどアフリカ大陸には、少なく見積もって2000ほどの言語があると言いました。これらの言語は4つに分類することができて、スワヒリ語はバントゥ諸語に属しています。
またこの「スワヒリ語」はインド亜大陸やアラブ地域、さらにはペルシアから借りた言語が多く存在します。
「スワヒリ」の意味
スワヒリ語の「スワヒリ」という名称は、
アラビア語で「海岸」を表す言葉が基になっている説があるんですが、実際アラビア語とのつながりが強いのは確かです。
スワヒリ語がアラブ地域からの借用語を持っていると先ほど言いましたね。
7世紀ごろには、貿易風に乗ってアラブ商人たちが東アフリカ沿岸一帯に交易にやってき始めたといわれていて、
そのころの土着の人々が話していた言語にアラビア語の単語が入り込み、現在のスワヒリを形成したのではとも言われています。
アラビア語を勉強したことのある人であれば(難しいし、そもそもやってないよ!)スワヒリ語は結構いけるかもしれませんね・・・。
英語とのつながり
スワヒリ語には、アラビア語、ペルシャ語、ヒンディー語、さらにはポルトガル語など、他の国の言葉が大量に入ってきています。
そして英語もその例外ではなく、スワヒリ語に吸収された言葉があります!
例えば、次の単語は何から変化させたものでしょうか?
- Januari
お察しの方もいるかもしれませんが、これは「january(一月)」です。他の言葉も見てみましょう。
- dereva (driver):運転手
- baisikeri (bicycle):自転車
- motokaa (motorcar):自動車
スワヒリ語はどの単語も最後が、「母音」になっていますね・・・!
日本語とのつながり
日本語にはひと昔前から「カタカナ」が氾濫し始めました。元が英語だったり、フランス語だったり、そして「スワヒリ語」だったり・・・。
- safari
これは「サ・ファ・り」と読むことが出来ます。あれ?どこかで聞いたことがあるような。無いような・・・。やっぱりあるような。
実はこれはスワヒリ語で「旅」という意味。
日本国内では、「野生動物を見に行くこと」という風な意味で定着してしましたが、もともとは「旅」という意味を持っていたんですね。
では次の単語を見てみましょう。
- kimono「キ・モ・ノ」
これは日本人ならお馴染み、「着物」のこと!
世界的にも「着物」はそのままの音、意味で使われています。やはり日本特有のものは、そのままで使われることが多いのでしょうね。
スワヒリ語の10時は4時!?
スワヒリ語の大きな特徴の一つを紹介したいと思います。
それは日本と時間の感覚?が異なるということです。先ほどスワヒリ語はたくさんの外来語の影響を受けているといいましたが、
なんと時間的な概念までも影響を受けているのです。
スワヒリ語の時刻表現は、イスラームの時刻表現にのっとています。
次の文を見てみましょう。
Ni saa nne.
「nne」は「4」を表すのですが、日本語訳すると、「10時です」という風になります。これはつまり、6時間分差があるということです。
さらに言うと、日本では一日の始まりは「0時」ですが、イスラームの時刻表現だと、「7時」から一日が始まります。スワヒリ語だと「1時」になります。
擬音語みたいなスワヒリ語
スワヒリ語で「ポレポレ」は「ゆっくり」を意味することは知っている人もいるかもしれません。
では「piripiri」をご存じでしょうか?
これは「ピリピリ」と読むことができるのですが・・・
なんだか辛そうですが・・・。
そう。
なんだか辛そうだ感じたあなた!
正解です。ドンピシャ!
「piripiri」はスワヒリ語では「辛い」もしくは「唐辛子」を意味します。地理的にも文化的にも隔てられているのに、なんという偶然でしょうか。
また「pikipiki」は「オートバイ」を意味することばです。「ピキピキ」という語調からはあまり想像しがたいですがね・・・。
さて、このように「スワヒリ語」には擬音語のような音の形態を持っていながら、
単語として意味を持つことが他にもあります。意味の分からない音よりも断然覚えやすそうですね。
まとめ
大学に入ってもなかなか学ぶ機会がないのが、スワヒリ語です。いつも注目されるのは「英語」「フランス語」「ドイツ語」「スペイン語」「中国語」ばかり。
たまには奇をてらって、少数言語?を学んでみてはいかがでしょうか?