僕のヒーローアカデミアには、よく「オリジン」という言葉が見られる。
轟焦凍:オリジン
爆轟勝己:オリジン
緑谷出久:オリジン
オールマイトは確かライジングはありましたが、オリジンはなかったかな・・・。
そして、ある一つのマーケティングの本を読んでいて思ったことがある。
オリジンは、オリジナリティとイコールのものであるのか?
という疑問。
というのも、あの「ある本」を読んでいるときに、
アントニオ・ガウディという人物の言葉を紹介していたからです。
それが
「オリジナリティとはオリジンに戻ることである」
石川秀輝,古川柳蔵,、2010年、「君が大人になる頃に。」、日刊工業新聞社
という言葉。
オリジナリティ(独創性)と、オリジン(根源・本質的なもの)を同質のものとみなしているというわけです。
うーん。
不思議です。矛盾しているようにも見えます。
世界史で習った、子なるイエスと父なる神、精霊が不可分のものとみなされる「三位一体説」ぐらい分からないです・・・。
では、そもそも
「オリジン」とは何なのか。
そもそも
「オリジナリティ」とは何なのか。
を考えていきましょう。
目次
オリジン(origin)
ここでは解りやすいように、さきほど例として挙げた「僕のヒーローアカデミア」を参考にしたいと思います。
時々、この作品には「〇〇〇:オリジン」というタイトルの回があります。
緑谷出久:オリジン
これは僕のヒーローアカデミアの一話にあたるのですが、彼がヒーローを志したという点に注目しています。
まさに、彼の「ヒーロー」に成らんとするオリジン(幼少期)が明らかになる場面でもあります。
轟焦凍:オリジン
これもまた、彼の生まれ、幼少期が関わってくる回です。「個性婚」によって、炎と氷を兼ね備えたハイブリッドとして生まれた彼は、父を憎み左(炎)を使うことを固く拒んでいました。
しかし、とある切欠で彼は左(炎)を受け入れようとするという場面があります。
まさに彼の「オリジン(幼少期)」に関わってくるストーリーがこの回では展開されいきます・・・!
爆轟勝己:オリジン
この回は、彼が緑谷出久と共に、オールマイト(No.1ヒーロー)に立ち向かうという回です。
彼は、緑谷出久と幼馴染でありながら、信頼とは程遠い関係にありました。
いつも追いかけられる側であった爆轟勝己は、いつのまにか緑谷出久がとなり全力で走り、あがいていることに大きないら立ちを持っていました。
これもまた、彼の「オリジン(幼少期)」を基に描かれるストーリが展開されます。
ここまで見ると、
「オリジン」は原点回帰みたいな意味合いを含んでいるという見方も可能です。
「オリジン」を顧みることによって、見失っていたものを思い出す。もしくは自分自身の根本、始原を振り返ることができます。
「原点・・・オリジンってやつさ。そいつがお前を少し先まで連れてってくれる。」
オリジナリティ(originarity)
ではオリジナリティ(独創、独創性)についてみていきましょう。
まず辞書からの引用です。
どくそう[独創](名・他サ)
独自の、すぐれた考え。独自の考えで始め〈ること/たもの〉。「-性・-に富む作品」
『三省堂国語辞典(第七版)」(2014)株式会社 三省堂
また「独自」の類義語には、「個性的、特別、固有、目新しい、新奇、独特」などがあります。
参考:https://thesaurus.weblio.jp/content/独自
ここで先ほども言いましたが、「矛盾」が生まれます。
オリジンは、原点回帰つまりは、過去を顧みることがその言葉に含まれてきます。
しかし
オリジナリティは、未来志向つまりは、以前は存在しなかったような新しいことを指しています。
オリジン(origin)を由来とするはずのオリジナリティ(originarity)が、
反対の意味を持ってしまっているようにみえます。
本当に反対か?
では本当に、
オリジン⇔オリジナリティなのでしょうか・・・?
辞書的な解釈に基づくと、反対かもしれません。
では
「オリジン」についてもう少し考えてみましょう!
さきほど、
「オリジン」を顧みることによって、見失っていたものを思い出す。もしくは自分自身の根本、始原を振り返ることができます。
と書きました。
これを掘り下げてみると・・・
過去を振り返ることによって、現在もしくは未来に何かを活かすことにつながる。
これは勉強と似ています。
応用の問題を理解できない、そこですでに学習した内容を振り返ってみると、忘れてしまった部分を見つけました。
基本的な事項こそ、次のステップ(応用)に進むに際して必要になってくるということです。
守破離の考え方も参考になるでしょう。
- 「守」で、基本に忠実に。
- 「破」で、基本を生かしつつ、応用に触れる。
- 「離」で、自分の型を確立する。
オリジンとオリジナリティのつながりはこれと似ていると私は思います。
つまり
オリジナリティとは、単に奇異なものを生み出すというよりかは、
過去の経験に基づいて
自分なりの優れた考えを生み出すことです。
言葉は時に全く異なった意味合いを持つ時がありますが、中には確かにつながっているものもあります・・・!
こうしたことを考えることが普段は「考える」力にもつながってくるのかなぁと感じます。
無駄だと思われることに懸命に頭を働かせてみるのもたまには良いのではないしょうか。
まとめ
今回は、「オリジン」と「オリジナリティ」について考えみました。
自分でもなかなか考えたことの無い話題でしたので、結構興味深かったです・・・!